夢会う和歌
夢會う和歌は、夢の中で大切な人と出會う情景を詠んだ和歌です。夢の中での再會は、現実では葉わぬ想いや切ない心情を表すことが多く、古くから多くの歌人によって詠まれてきました。例えば、次のような和歌が知られています。
「夢にだに 逢ふよしをなみ 寢ぬる夜の 明くるも知らず 戀ひわたるかな」
(ゆめにだに あうよしをなみ ぬるよの あくるもしらず こいわたるかな)
この歌は、夢の中でも逢うことができないと嘆きながら、夜が明けるのも気づかずに戀い焦がれる心情を詠んでいます。夢の中での出會いを切望する気持ちが、切なさとともに伝わってくる作品です。夢會う和歌は、現実と夢の狹間で揺れる人間の心情を繊細に表現し、読む者の心に深く響きます。